ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

リロHDによるパナソニックエクセルインターナショナルの株式取得

リロHDがパナソニックエクセルインターナショナルの66.6%を2,317百万円で取得するという。
まさに同業でもあり、パナソニックとしても人材派遣等に続く非中核事業である事業売却の一環でもあるので、双方にメリットがあるのだと思います。一方直近の営業利益188百万円で、企業価値3,479百万円というのは結構高い評価です。EBITDA200百万円としても17.4倍ということになります。リロHDとしては太い固定客を獲得するのでこれくらい出しても良いということなんでしょうか。

そろそろ人材業界では目玉であるパナソニックエクセルスタッフの売却も決まるころだと思います。どこが競り勝ったのでしょうか。

 

 

 

 

オークファンによるエターメントへの出資

オークファンが株式会社エターメントの株式17.5%を第三者割当増資で取得したとのこと

オークファンはエターメントの17.5%を120百万円で取得とのことなので、EVで685百万円の価値ということになります。私はエターメントという会社は存じ上げなかったのですが、2009年設立の会社でこれまでは代表取締役の宮口誠一郎氏と石丸啓明氏という個人株主のみのようなので、今回が外部からの初資金調達ということなのかもしれません。(ちなみに普通株式なので”シリーズA”とは言いません。

オークファンのように、上場IT各社も最近投資を活発化させているので、ベンチャー企業にとっては資金調達の選択肢が広がっていて良い環境である同時に、VC専業のところはより付加価値が求められる状況になっていることがうかがえます。

 

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ネクストの借入実行

ネクストがTrovit Search S.L.の取得のための資金を三井住友信託銀行から70億借りるという開示が出ました。

現預金が80億強あるので、70億足して150億強から110億の株式取得なので従前に比べるとキャッシュポジションは下がりますが十分な確保ですね。

今回の借入は短期1年のブリッジローン的な融資だと思いますので、長期への借換や社債発行、もしくはエクイティファイナンスもあるかもしれません。

ということで注視したいと思います。

 

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ベンチャー企業の資金調達

最近ベンチャー関連のファイナンスのニュースで「●●がシリーズAで●億円調達」というニュース等を見かけいて思ったのですが、本来シリーズAっていうのは”A種優先株”で新株発行して調達するから”シリーズA”という意味なのに、アーリーステージの企業が普通株で調達しても”シリーズA”と言っちゃっている記事を多くみるのですが、それが一般的になっているのでしょうか。

くどいですが、”シリーズB”は”B種優先株”で調達する場合であっても、間違っても2回目の調達ラウンドを指すわけではないということです。

だから普通株式しか発行していない会社が、「うちはそろそろシリーズBで調達します」っていう場合は、A種優先株、B種優先株を同時に発行して調達するということになります。

もっとも言葉は、もともとの意味から変化することが多いので、別にいいっちゃいいのですが。

ネクストによるTrovit の株式取得

前場があく前に開示されたネクストによるTrovit の株式取得には少し驚きました。
世界最大級のアグリゲートサイトを110億円とのことでしたが、営業利益で8億くらいですから特別高い印象はないように思いましたが、ここまで大きい仕掛けを同社がやるのには驚きました。

またCashの方もネクストの第1四半期末である6月末時点で82億円の現預金がありますし、現在まで無借金なので、借入を行ったとしても財務はそんなに痛みません。ただのれんは90億くらい計上されますので、うまくいかなくなったときの減損リスクはあります。

国内は飽和状態で数年前からアジア中心に進出を狙って東南アジアなどに展開していましたから、本件もまさに狙って買いにいったのかもしれません。もしかしたらリクルートに先にとられなかったのも良かったかもしれません。

ライフネット生命 9月度実績

毎月恒例のライフネット生命の月次純増数の推移を見てみましょう。

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9月純増は1,186件ということで一進一退という感じでしょうか。今月もブレイクスルーせずですね。月次で4,000件超えていたころが懐かしいです。そのころは株価も900円は超えていました。

次なる飛躍はどのタイミングでしょうか。

投資ファンドによる買収が減っている?

ちゃんと調べていないので間違っているかもしれませんが、株高の影響からか最近バイアウトファンドの買収が減っているような気がします。ベンチャー界隈は高騰と言われる中でも活発ですが、やはりLBOファンドを中心にバイアウトは減っているような気がしています。パイオニアのDJ事業をKKRが買ったりという案件はありましたが。

例えばちょっと前に比べると、アドバンテッジパートナーズ、ユニゾンキャピタル、カーライル、MBKパートナーズベインキャピタル等の新規投資のニュースをあまり聞かないような気がしています。
各社HPを見ても、APは2013年のレイカズンが最後ですし、ユニゾンは投資先のUCOMが丸紅系と合併した件が出てるだけですし、と思ったらカーライルはおやつカンパニー等4社実行してました…。MBKは最近なさそうです。ベインは2月にマクロミルを実行してましたね。

こうみるとカーライルはこの株高の中でも積極的に仕込んでいるということがわかりました。

 

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