ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

日経新聞

先月くらいの経済雑誌の特集で「新聞報道」というのがあったと思う。立ち読みでパラパラとめくっただけだが、そうだなあと思うことが多くあった。

特に企業関連の記事はほとんど会社発表のリリース文章を要約しただけというのがほとんどだったり、決算発表前の決算数値については、会社からのリークだったり。

では、どうして会社からのリークが起こるのだろうか?実際には色んな背景があるのかもしれないが、1つは「日経新聞に少しでも大きく扱われる」ということが、広報責任者にとって非常に大切だからだ。例えばどこかの会社を買収するという話があったときに東証での開示をしたあとに、記者会見やら取材を受けるのが普通だと思うのだが、それだと日経新聞に恩を売れない。日経新聞には他の記者や発表より少しでも早く教えてあげることで、記者の「スクープ」ということにしてあげることで、記事を大きく扱ってもらうという、お互いの利益に適ったやりとりが発生するのである。

もう1つは、経営統合等の話の場合、話を進めたい側が記者にリークし、記事にさせることで当該案件を既成事実化してしまうという方法である。この場合、その記事が出た後、「一部報道について」というタイトルの適時開示が出たりするのだ。「当社より発表したものではありません。」というやつだ。この場合、話が進みゆくゆくクロージングされれが「スクープ」ということなんだろうけど、途中でブレイクするとただの「誤報」となる。でも、新聞は誤報について後から訂正することも、謝ることもないので書いたものがちということである。

なので、日経新聞の記事というのは、半分以上は①会社発表のリリース文章の要約で、残りが②企業担当者や関係者から思惑のある「リーク」で、残りのちょびっとが③「記者による取材記事」ということになる。

 

読者が欲しいのは、③なので、本当はもっと新聞は薄くても良いのだが、それだと広告スペースが少なくなっちゃうので、①②が重要ということなんだろう。