ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

アナリストレポート

楽天がMUMSSの荒木正人アナリストを出入り禁止にした事件。

個人的には、楽天の対応はそんなにヒドイとは思いませんでした。ちなみに私は普段は楽天よりAmazon派です。

荒木氏側の言い分もあるでしょうが、楽天が指摘した13について、どれも杜撰としか言いようがありません。

特に実効税率を前年の実績をベースに横に引いただけというのは、ちょっと驚きです。あと当期純利益使ってるのに有利子負債を控除してたり。社内の審査とかよく通ったなと。

事業別のコスト分析については、楽天の事業範囲も広く、開示資料だけでは十分にできないのかもしれませんが、ただそこを差し引いてもやりようはあったと思います。(類似企業の傾向から推定するとか)

 

ただ楽天が一番許せなかったのは、このアナリスト氏の思い込みと思われる部分が強すぎたのではないかと思います。

 

このアナリスト氏のアナリストレポートを拝見したことがあるのですが、あまり精緻にモデルを作って分析というより、感覚とか経験でレポートを書いているような印象を受けたことがあります。確かにその方が読み手にはわかりやすかったり、センセーショナルだったりして名前も売れるので、客商売としては良いのかもしれませんが、中立に分析するという本来の役割ではないかと思います。もっとも証券会社のセルサイドアナリストは、投資家に自分の証券会社を通して買ってもらってナンボという実態もありますので、構造の限界なのかもしれません。