ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

永谷園による麦の穂の買収

永谷園がシュークリームで有名なビアードパパを運営する麦の穂HDをアントキャピタルから買収というニュース

アントキャピタル(当時は日興アントファクトリー)が確か2006年8月くらいに創業者から買収していたので、約7年での投資回収ということでほぼ想定通りということでしょうか。

永谷園の取得額は諸費用含めて9,440百万円、麦の穂HDの営業利益が695百万円とのことなので、EBITDA倍率でも恐らく10倍以上ということで永谷園としても相当頑張ったディールだったと思います。永谷園の6月末の現預金が6,821百万円ですから、手元資金では賄えない金額なので借入も行っての買収ですから、永谷園としては大きな投資です。

 

確か2006年くらいの当時、日興アントは「スイーツHD構想」なるものを検討していると噂で聞いたことがありました。要はスイーツ関連の会社をどんどん傘下に入れていく、スイーツ版の「アコーディア」を狙うという噂でした。その一環でアントステラ(ステラおばさんのクッキー)、麦の穂を買収したと聞いていました。しかし、ステラおばさんはその後森永製菓に売却されたので、スイーツHD構想は失くなったんだなと、何年間前に思い出したということを今回の麦の穂売却で思い出しました。

 

さらにいうとゴールドマンサックスも飲食版のHD構想を行っていたのか、当時プライムリンク(現アスラポートダイニング)に有限会社ジュピターインベストメントを通して出資し、飲食系会社の会社をM&Aで傘下に入れたり、有限会社グランドディッシュを通して焼肉屋さかいに出資していたりしていました。あまり思わしくない結果だったような気がしますが