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ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

川崎重工

川崎重工で、社長を含む三井造船との統合推進派の取締役が、統合反対派の取締役によって解任されたという事件。

当然報道を通しての情報だけなので真実はわかりませんが、いくつか思うことがありました。

 

1つは反対派の理由。報道によるデューデリジェンスが完了する前にも関わらず、統合のメリットがないとして交渉を打ち切ったわけだが、報道陣からの質問に対して「DDが終わってなくても、我々がプロだからわかる」との発言があったとのこと。これ言っちゃうと、そもそも川崎重工DDやらなくても価値算定や統合シナジーがわかるというメッセージになってしまっています。反対派はとにかく「反対ありき」だったのではないかと邪推してしまいます。もっとも推進派も「統合ありき」のコミュニケーションだったと報道されています。

 

これはよくわる話なのですが、M&AのときってDD終わる前にほぼ結論は出ていて、それの正当性をもっともらしくするために高いFee払ってFAS等にDDさせることがよくあります。バリュエーションしてみると思っていたような価格が出ずに、それでもどうしても買うという結論になってしまっている買い手は、DCFの前提となる事業計画は上げにいったりするわけです。「頑張ればもう少し統合効果あるかもしれないし」とか言ってコスト削減のシートでアグレッシブな数値を入れちゃうわけですね。このときアドバイザーも、成功報酬が欲しいから、買い手のアグレッシブな計画に強く反対したりしないのです、多くの場合。

 

要は、統合推進派も反対派も、とても人間くさい「とにかく賛成」「とにかく反対」という、とても上場している経営とは思えないような論理で意思決定しているわけです。まあ、それが正しいか正しくないかは後にならないとわかりませんが。(市場は交渉打ち切りを評価しているようですね)