ベンチャーCFOキャリア

サラリーマンのM&A、ファイナンス、企業業績、キャリアについての戯言

ミクシィの挑戦

ミクシィが250人を配置転換するという話題が盛り上がっています。これは人員削減を目的としたリストラじゃないかとか。
きっとそうなんだと思います。人員削減やその方法の是非はここでは置いておきます。

ミクシィのこの1年

今回は最近ここ1年くらいでのミクシィのM&A戦略について考えてみたいと思います。ここ1年のM&A関連の開示資料を抜いてみました。マイナー出資と思われるものは除外しています。

 2012/10/2           ネットマイルのリサーチシステムを取得し、マーケティングリサーチ事業を開始 ①

2012/12/27         株式会社 kamado の株式取得に関するお知らせ ③
2013/10/1           LINE 株式会社の会社分割(新設分割)により、結婚支援事業を承継する新設会社及び株式会社Diverse(以下、Diverse社)の完全子会社化 ②
2013/10/7           「街コン」イベントを運営する株式会社コンフィアンザの全株式を取得 ②
2013/10/24        株式会社イトクロのミステリーショッピング事業『ショッパーズアイ』を取得 ①

 

大きくわけると、①リサーチ、②出会い(婚活支援)、③その他といった感じでしょうか。これだけ見るとあまり一環した戦略ではなく、いろいろなところに貼っていると感じです。

リサーチはmixi会員を活かした事業で大化けはしないと思いますが手堅い事業になる可能性はありそうです。
出会い&婚活はmixiの会員とは分けるということなので、同社がやる理由があまり思い付きません。とにかく利益が出てる事業が欲しかったのか?

その他はkamadoの代表の川崎氏を獲得する買収だったのでしょう。

 そして一番の懸念は、ミクシィはこれまでFind Job!とmixiというオーガニックで育てた事業を中心に行ってきており、M&Aで獲得した会社をうまくマネージしていくことができるのかという点です。

 

M&Aははっきり言って、売り手が希望する金額を出せば誰でも買えてしまいます。ただ買ったあとに取得価額に見合う経営をしていくのはとても難易度が高いです。ミクシィは既存事業のリカバリを行いつつ、買収した会社をうまく経営し、新規事業も育て続けるという非常に難易度が高いことに同時で並行でチャレンジしています。既存事業が落ち込み、キャッシュがあるうちに買収で立て直すというのは悪い戦略ではないと思いますが、今のところそれが成功するという雰囲気は感じないですね。